2019年07月27日

レントゲンの怪しい影と電池を誤飲したらどうなるか?

2019.07.27

昨日のレントゲン写真ですが、なんだと思います?

190726Xray

一見するとボタン電池飲んだように見えてしまいますよね。

獣医師専用のSNSで流れてきた画像なんですが、実はこれは止瀉薬(下痢止め)のお薬がうつっているだけなんです。

薬の中の成分の一つあるビスマスがレントゲンにうつるのですが、

過去にはバリウムの代わりとして検討されたレントゲン不透過のお薬らしいです。

20190727Med

この薬なんですが、自分も使っています。知らなかった・・・

獣医師さんのコメントみても、知らないという先生も結構いるみたいですね。

自分も気をつけねばと思いました。

で、ふと気になったので、電池を飲んだら有害か?という論文を探してみました。


Ileocolic Perforation Secondary to Disk Battery Ingestion in a Dog.
ボタン電池を飲んで回結腸穿孔を起こした犬の1例
J Am Anim Hosp Assoc. 2018 Sep/Oct;54(5):e54501.
DOI: 10.5326/JAAHA-MS-6606
Lauren Meltzer

7歳メスの避妊済みシーズを、4日におよび食欲不振で評価した。来院前に胃腸炎の保存的治療を他の獣医師に2日間受けていた。腹部エックス線写真で、2つの丸いディスク型の金属の不透明度を持った異物が、漿膜の詳細を失った腸内に見られた。

試験的開腹を実施し、少量の腹水と共に回結腸移行部の腸に円周状の全層壊死と穿孔が見られた。2つのボタン電池が大腸内に触手され、直腸から絞り出した。合併症もなく回結腸の吻合を行った。しかし、その犬は抜管後すぐに心肺停止に陥り死亡した。

ボタン電池は、粘膜面に長く接触すると、電流の発生により重度組織壊死を起こす能力がある。消化管穿孔や死に至る可能性を防ぐために即座の除去が推奨される。

ボタン電池を飲んだ犬の症例ですが、穿孔により亡くなっているみたいですね。

理由が、長く接触すると電流が発生するために、それで穿孔するようです。

電池を飲んだ症例は、出来るだけ早く除去がよさそうです。

電池を飲んでしまった症例は、経験はないのですが、様子観察ではダメみたいなので、

記憶にとどめておこうと思います。

ただ、長時間の粘膜の接触がリスクのようですので、

麻酔がかけられない症例においては、電池が移動することを確認しながら、便と一緒に排泄させるというのも、

場合によってはありかもしれません。

今日は台風のため、ヒマと思いましたが、午前中と午後始まってすぐが忙しかったです。

温帯低気圧に変わったようですが、18時過ぎてやっと外来が落ち着きました。

明日は所用で休診となります。申し訳ありません。

ちょっと岐阜まで行ってきます。昼はその準備に費やしました。

台風のためキャンセルの可能性もありましたが、今のところ予定通りにいきそうです。

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Posted by トピア動物病院 at 18:48 │Comments(0)一般内科
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